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鳥のカンジダ症


浅香山
動物病院

 


カンジダ症
 
 カンジダ症はCandida albicansに起因する消化管の酵母感染症です。日和見感染の傾向が強く、殆どの場合、怪我や疾病で抵抗力の落ちている個体に見られます。抗生剤投与中で嚥下困難、食欲減退、嘔吐等が見られたら、カンジダの可能性があります。
 鳥が本来持っている正常細菌叢の一つと考えられており、少数の胞子が消化管内から検出されても、特に問題にはなりません。しかし、何らかの要因でカンジタが異常増殖すると病原性を示すため、治療が必要になります。
 カンジタの病変は主に消化管に認められ、その発生部位によって流涎や嘔吐、採食障害、消化不良便などの症状がみられます。食欲不振は必発し、それに伴って体重の減少と全身状態の悪化が進行します。
 
 
病変・症状
 カンジダ症には2つのタイプがあります。1つは、病変が口腔内とそ嚢に限局されているもの、もう1つは、口腔内には病変はなく、そ嚢以下の消化管にのみ病変が見られるものです。前者では、口腔内粘膜(舌、咽頭部を含む)にクリーム色の班がみられることが多く、鳥は嚥下困難や食欲減退などを示します。後者では、口腔内には異常がないものの、大幅な食欲低下、拒食、嘔吐などを示し、場合によっては脱水や衰弱が見られることもあります。
 
*カンジダと鑑別の必要な他の疾病:類似した白っぽい班が口腔内に見られますので注意して下さい。
・トリコモナス症
・毛細線虫症
・細菌性の膿瘍
・ビタミンA欠乏症
 
診断
 

口腔内やそ嚢液を顕微鏡で観察して直接発見します。



通常細菌より10倍ほど太、菌糸が伸びている状態を確認します。

 

治療
・ケトコナゾール(ketoconazole):15mg/kg BID PO で1、2週間の治療が目安

 

   


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