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毛引症 自虐症



浅香山
動物病院

 

毛引症 自虐症

セキセイインコ、中形インコ、大型インコ、オウム、文鳥、カナリヤ、メジロ、ウグイス、九官鳥に多い。
羽毛を引き抜く行為は比較的よくなれた室内飼育の鳥に共通して見られる。

1)稟告聴取
症状が現れた前後に何か変わったことがなかったかをよく質問する。
新しく鳥を迎え入れた。
同居していた鳥が死んだ。
飼い主の生活パターンが変わった。
生活環境が変わった。
エサの種類、メーカーが変わった
体重が急に増え始めた
市販のビタミン剤を与え始めた

タバコの煙、殺虫剤、芳香剤、有機溶剤の有無
かわいがってくれた人がいなくなった
赤ちゃんなどの新しく人が増えた
飼い主が離婚した
部屋の中を模様替えした
家を引越しした
ケージを新調した

鑑別診断リスト
1.心理的要因
   分離不安、退屈、狭いカゴ、飼育環境の変化、性的ストレス
2.感染症
   PBFD(circovirus)とbudgeriger fledgeling disease (French moult, polyomavirus)
   外部寄生虫 疥癬
   内部寄生虫 ジアルジア
   クラミジア症、細菌・真菌
3.非感染症
   アレルギー、種々の肝炎、甲状腺機能低下症、体表部腫瘍、栄養失調
4.環境要因
   タバコの煙、乾燥、長日性の条件、不潔・騒音・振動などの環境

心理的要因
  飼い主の気を引こうと羽繕いを過剰にしてそれを飼い主が気にして、キィキィと泣き声をしたときに飼い主がすぐ来ると、飼い主の注意をひきつけられると理解すると、行為がエスカレートする。最終的に口が届く範囲の羽を抜くか、皮膚まで傷つけるようになる。

治療

エサの見直し。ペレット飼料の給餌、青菜類の多給、給餌量の制限

飼い主との切り離し、広い空間で飼育する。鳥にかまいすぎない

エリザベスカラーをつけて齧れないようにする

くちばしの先端をカットして羽を引っ張れないようにする

抗欝剤
  アナフラニール 10mg(1/8T)を10mlの単シロップに溶かし5滴を10mlの水に入れる
  クロミカム 5mg(1/4T)を10mlの単シロップに溶かし5滴を10mlの水に入れる
  フェノバール 60mg(2T)を10mlの単シロップに溶かし5滴を10mlの水に入れる
  自由引水させる

ビタミンE ユベラシロップ 1滴を10mlの水に入れる
ビタミン剤 ペットチニック  1滴を10mlの水に入れる

性的ストレスによる自虐症
  日照時間を減らす。 1日8時間までに削減する
  プロジェステロン療法 メス 酢酸メドロキシプロジェステロン5mg/kg im sc 1ヵ月後に判定
  酢酸メゲステロール(Ovaban 5mg/kg po)x7days 連続投与後に判定
  副作用として多飲他尿・糖尿病・肝リピドーシス
  HCG 500-1000IU/kg im

 


喉のところを齧っている


カサブタができ周りの羽はなくなっている。抗生剤、フェノバールの投与で改善した


届く範囲の羽を引っ張って抜くので頭の上は抜けていない


尾の分泌線のところを自虐している

 

   


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