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ウサギの切歯の不正咬合


浅香山
動物病院

 


■ ウサギの歯の病気
ウサギの病気の中で最も多い病気に歯の不正咬合があげられます。ウサギの歯は切歯(前歯)も臼歯(奥歯)も生涯にわたって伸び続けます。歯のかみ合わせが悪くなることを不正咬合といいますが、通常であれば伸びた分削れるので正常な長さがたもたれます。なんらかしかの原因で不具合が生じると正常なかみ合わせにならなくなります。
 


切歯の不正咬合
ウサギの切歯は1か月に1.0cm〜1.2cmも伸びます。1日0.3oです。これは人間の爪や髪の毛と同じです。通常は食べ物を咀しゃくするときに上の歯と下の歯が擦れ合い、磨耗することによってある一定の長さが保たれています。ところが切歯の噛み合わせが悪いと正常な歯の磨耗ができなくなるため、歯はとんでもない方向に向かって伸びていってしまいます。これを不正咬合と呼びます。
 
原因
切歯の不正咬合は、遺伝的なものが多いとされています。特にダッチ系やロップ系は多いとされています。後天的には事故で前歯を折ってしまう。金属のケージを横向きにかじっている。柔らかい餌の多給でおこります。
 
症状
異常な方向へ向かって伸びます。上に4本 下に2本あるのが正常です。まがって口唇部や歯肉にあたって潰瘍をおこします。

餌が噛みきれないので、食欲がおちます。ペレットをくわえることができなくなる。よだれが出ていたりあごの下がぬれている。
悪化すると鼻汁が止まらなくなったり下顎の膿瘍を形成し、最終的には肺炎をおこします。

 
治療
伸びすぎてしまった歯は、専用の器具を使って正常な長さに切りそろえます。
ニッパーなどで安易にカットしてしまうことがありますが、無理な力でカットしようとすると、縦に割れてしまったり、歯根を傷めることがあります。
しかし、処置を行ったとしても、うさぎの歯は前述したように生涯にわたって伸びつづけるため、定期的に行わなければなりません。


   


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